備品管理の効率的な方法とメリット・注意点物品管理
備品管理とは、企業などの組織が所有し、従業員に使用させる物品の状態や使用状況を把握・管理することをいいます。
パソコンやスマートフォン、鍵や工具など、備品は多岐にわたります。
備品管理が適切に行われていないと、備品を紛失して無駄なコストが増えたり、備品の持ち出しに余計な手間がかかって業務効率の低下につながったりしてしまいます。
そのため、備品は適切に管理することが重要です。
本記事では、備品管理の効率的な方法や注意点まで解説します。
備品管理とは
備品管理とは、企業などの組織が所有し、従業員に使用させる物品の状態や使用状況を把握・管理することです。
一般的な備品としては、鍵やオフィス家具、パソコンなどがありますが、業務に必要なあらゆるものが含まれるため、多岐にわたります。
備品と消耗品の違い
業務に使用されるものというと、オフィスなどで利用する文房具や、トイレに設置されたトイレットペーパー、工場などでは使い捨ての手袋やマスクなど、使用につれて減ったりなくなったりする物品もありますが、これらは「消耗品」であり、「備品」とは区別します。
備品管理の目的
備品は会社の財産ですから、私物のように利用したり勝手に持ち出したりすることは許されません。利用期限を守って大切に扱う必要があり、破損や紛失などがないように備品管理を行う必要があります。
備品管理は多くの会社では総務部で行われ、総務部を通じて従業員への貸し出しが行われます。
ただ、総務の仕事は備品管理だけではありませんし、貸し出しや返却に追われてしまうと、ほかの業務に差し支えます。また、備品と一口にいっても、社内だけで使うものもあれば、外部に持ち出せるものまで様々で、サイズも使い方も異なる備品を整理したり管理したりするのは大変です。
そこで、効率よく適切な備品管理を実施することが重要になってきます。
業務の効率化
備品は会社のものであり、個人が長時間、保有して良いものではありません。
しかし、備品管理が適切に行われていなければ、備品を誰が持ち出したのか、いつから持ち出しているのかを総務部が把握することができません。その結果、必要な時に必要な人が必要な備品を利用できなくなってしまいます。このように、備品がない・足りないことで業務効率が低下し、企業の損失につながります。
また、備品の紛失が続くと決算外の棚卸が必要になり、発注を繰り返すことでコスト増はもちろん、総務部門のパフォーマンスも低下します。
セキュリティ対策
会社の備品には、デスクや椅子などのほか、ノートパソコンやスマートフォン、タブレット端末なども含まれます。
リモートワークが主流となった今では、自宅で仕事をするために通信機器を貸出することも増えてきます。
このようなモバイルデバイスが適切に管理されておらず、紛失や盗難に遭えば、端末に保存されたデータや、デバイスから社内ネットワークにアクセスされて、重要データや個人情報などが漏えいする恐れもあります。
企業の資産である情報を守るという意味でも、不正な持ち出しを防ぐために、パソコンやタブレット端末などの管理は厳しく行う必要があります。
備品管理の手順
業務を効率化させるためにも、備品管理の適切な手順を押さえておきましょう。
以下で、具体的な備品管理の手順をご紹介いたします。
管理台帳を作成する
はじめに、何をどれくらいの数所有しているのかを台帳に記入します。通信機器などには、管理番号を印刷したラベルシールを貼り「貸出日付・貸出部門・貸出者名・返却予定日」などを台帳に記入します。
その他の備品については、台帳に物品名・種別・登録日・登録者・更新日・更新者・保管場所・状態(紛失など)の項目を設けて整理しておくと良いでしょう。
台帳は物品管理用・会計処理用の2冊を作成し、誤差がないかを定期的にチェックしておきます。このように管理することで、備品の動きを見える化できます。
使われていない、使うことが少ない備品は、代用品で業務が進むのかを確認し、そうであれば減らしたりなくしたりする方向で検討しましょう。
備品が多く、管理に手間取る場合には、台帳に写真などを添付し、誰が見てもわかるようにしておくというのも一つの方法です。
管理台帳を作成しておくことで、棚卸に手間取ることもなくなり、減価償却できる資産を分けられます。
備品管理の管理台帳や、備品の見える化については、下記の記事もご覧ください。
備品を分類してラベルをつける
備品を一目見て、個人所有の物品ではなく会社の所有物であることがわかるようにするために、カゴテリー別に分類し、さらに使用頻度の高いものから順番にラベリングしていきます。
識別コードなどを記載したラベルを備品に貼り付けることで、保管場所や使用しているフロアや部署がも一目でわかります。
視覚化することで私物との差別化にもつながり、管理しやすくなるので棚卸もスムーズです。
備品管理のマニュアルを作成する
利用者が勝手に持ち出しできないようにルール化することも重要です。共通のルールを設けることで、会社全体で統一の基準で備品管理を行うことができるようになります。
総務部門(管理者)、その他の従業員(利用者)で分けて貸出や返却に関するマニュアルを作成しましょう。この時、対象の備品を明確にし、作成後も定期的に見直して更新を続けることが大切です。
紛失や不正利用を減らし、適切な管理体制を構築できます。
備品管理を改善するメリット
もし、現状で備品管理を実施していない場合は取り組みを開始する必要がありますし、すでに実施している場合も、備品管理に関して抱えている課題を解消して、より良い備品管理体制に改善していく必要があります。
備品管理を改善することで得られるメリットは、大きく次の3点です。
コスト最適化
当然ながら、購入するにしろレンタルするにしろ、備品の調達には費用がかかります。また、調達に伴う総務部門の人件費も発生します。
せっかくコストをかけて調達した備品が適切に管理されず、紛失したり破損したりすれば、再度、調達にコストがかかってしまいます。これらは、適切に備品管理が行われていれば発生しなかった無駄なコストです。
備品管理を改善すれば、もっと必要なことに予算や人手をかけることができ、コストの最適化につながります。
セキュリティの向上
「セキュリティ対策 」でも触れたように、備品であるモバイル端末を適切に管理できていなければ、紛失や盗難などにより、情報漏えいやデータの消失につながってしまいます。
ほかにも、不正アクセスやマルウェアに感染するリスクがあり、業務がストップします。
最悪の場合、損害賠償責任にまで発展する恐れもあります。
備品管理を改善することで、こうしたリスクを低減でき、情報セキュリティの向上を実現できます。
不正防止
備品管理が適切に行われていなければ、従業員が備品を不正に持ち出して私物化したり、フリマアプリなどで転売して個人的な利益を得るような事態も起きかねません。
会社に対して不満を持っている場合には、故意に破損させるようなこともあるかもしれません。
このような不正を防止するためにも、備品管理は適切に行い、適宜、見直して改善を続けることが大切です。
備品管理を行う方法
備品管理を行うには、大きく分けて2つの方法があります。
● エクセルを活用
● 備品管理システムを活用
エクセルで備品管理を行う方法
まず1つ目が、エクセルを活用する方法です。
Windows OSのパソコンを導入していれば、追加費用が発生せず、使い慣れたソフトウェアを利用して備品管理が行える点がメリットです。
無料でダウンロードできるエクセルの備品管理台帳もWebサイトを検索すれば、多数見つけることができます。
エクセルで備品管理を行うデメリット
ただ、エクセルを利用した備品管理では、管理する備品の規模が多くなるほどファイルが重くなって動作が遅くなったり、使用する関数が複雑になり過ぎて備品管理ができる担当者が限られてきたりしてしまいます。
また、入力ミスを防ぐためには、入力規則機能と関数を組み合わせるなどの必要があり、やはり台帳の管理が煩雑になります。
そもそも、エクセルやスプレッドシートは、備品管理に特化したソフトウェアではないため、本格的に備品管理を行おうとすると、限界があるのです。
備品管理システムで備品管理を行う方法
一方、備品管理に特化した備品管理システムを利用することで、備品の種類や数量、保管場所、使用状況などを一元的に管理することができるようになります。
備品管理システムでは、上記の項目に加えて、備品の貸出・返却、備品の修理・保守、備品の廃棄などを管理できます。
備品管理システムによって備品管理を効率化し、コストを削減することができます。
貸出管理セキュリティキャビネットのメリット
管理台帳では、余計な作業が増えてしまい業務効率が下がるようであれば、セキュリティキャビネットの利用を検討しましょう。
セキュリティキャビネットを使えば、リモートでも保管状況を確認でき、発注のために現物を確認する必要がありません。
セキュリティキャビネットのキャビマッチは、持ち出しと返却は自動で履歴に残りますので、返却期限が過ぎている備品、社外に持ち出されたものなどを的確にチェックできます。
また、台帳記入をしなくてもICカード(社員証)をかざすだけで、備品の持ち出しができるなど貸出・返却に手間取ることがありません。
備品管理システムとセキュリティキャビネットは、相互に連携して備品や文書の管理を効果的に行うことができます。
たとえば、「キャビマッチ」なら、ICタグを活用して備品管理システムとセキュリティキャビネットを統合しています。なお、ICタグとは、無線通信でデータを読み取ることができる小型のタグのことです。
「キャビマッチ」では、備品や文書にICタグを貼り付けておき、専用のリーダーで読み取ることで、備品や文書の情報を管理台帳に登録したり、貸出状況を確認したりできます。
また、セキュリティキャビネットもICタグで開閉できるため、借りたい備品や文書が入っているキャビネットだけを開けられます。このように、備品管理システムとセキュリティキャビネットを連携させることで、備品や文書の管理がより便利かつ安全になります。
まとめ
備品管理を徹底することで、過重在庫や在庫切れリスクを防ぐだけでなく不正利用やセキュリティにも繋げることができます。
このような在庫管理の負担を軽減することで、ストレスがなくなり作業効率がアップします。
さらに、システム化すれば通信機器から雑貨や文具までを大量に一括管理できるのです。
備品管理は骨が折れる仕事ですし、企業の規模が大きくなるほどに複雑な管理を強いられます。
効率化にむけて、備品管理システム導入の検討をしてみてはいかがでしょうか。
「キャビマッチ」は、ICタグを利用して会社内の備品を効果的に管理するシステムです。
ICタグを備品に取り付けることで、使用状況を自動的に把握でき、持ち出し情報も漏れることなく記録されます。
「キャビマッチ」を導入することで、重要な備品の紛失や情報漏洩を防ぎながら、管理や棚卸しの手間を削減することができます。
さらに、「キャビマッチ」は専用の棚を使用して備品を整理整頓できるため、オフィスのセキュリティを高められ、従業員も安心して業務に取り組めるようになるでしょう。
「キャビマッチ」について詳しく知りたいという方は、ぜひ下のバナーより、お気軽にお問い合わせください。
執筆者情報
キャビマッチ運営チーム
キャビネット貸出管理システムCABIMATCHが運営するブログです。キャビマッチに関する情報を更新してまいります。