エクセルを使った棚卸のメリット・デメリットとは?デメリットの解消方法まで解説棚卸
倉庫にある在庫の数量を調べる棚卸は、仕入れと売上の差を把握することで利益を把握し、適切な在庫管理を行うための作業です。
棚卸はエクセルを使って行うことも可能ですが、エクセルでの棚卸には手軽でコストをかけずに行えるメリットがある反面、商品数が多く、膨大な在庫を抱える企業には不向きです。
エクセルでの棚卸が難しくなった場合は、在庫管理システムを導入することをおすすめします。
この記事では、エクセルを使った棚卸の方法やメリット・デメリットを解説するとともに、デメリットの解消方法について紹介します。
そもそも棚卸とは
棚卸とは、企業の所有する商品や製品、材料などの現物の在庫数量を調べる作業です。
棚卸の目的は大きく分けて2つあります。
1つめは、仕入れと売上の差を把握し、利益を正確に計算するためです。
たとえば、1個300円で100個仕入れた商品を1個500円で販売した場合、100個すべて売り切ったときの売上総利益は2万円です。しかし、実際はすべて売り切れず、在庫が残ってしまう場合もあります。
在庫が40個残ってしまった場合、売上総額3万6,000円から1万8,000円(仕入れ総額3万円から在庫1万2000円分を引いた数)を引いた1万8,000円が売上総利益となります。
このように、仕入れに対する実際の売上次第で利益は大きく異なります。そのため、棚卸をすることで正確な利益を把握します。
2つめは、帳簿ミスや入出庫のミスを発見し、適切な在庫管理を行うためです。
毎年棚卸をすることで、売れ行きが悪く流動が少ない商品の「滞留在庫」や、何年も在庫として残り続けている「不良在庫」の存在を洗い出すことができます。
また、帳簿と在庫数が合わない場合、帳簿ミス、入出庫ミスなど原因を追求できます。
棚卸をエクセルで行う方法
在庫管理をエクセルで行っている場合、棚卸の方法は次のとおりです。
必要な情報を定める
はじめに、在庫管理表の項目を設定します。記入する情報量によって項目数も変わってくるため、在庫管理表のレイアウトを確定するためにも、設定項目は表作成をする前に決めておきましょう。
在庫管理表の主な設定項目は品目(商品名)、型番(品番)個数、出庫数、在庫数などです。
このほか、自社の在庫管理を行ううえで必要な情報を項目として追加していきます。
テーブルを作成する
項目を決定したら、次はテーブルを作成します。
たとえば、縦軸の1列に品目・型番、縦軸の2列目に入個数・出庫数・在庫数、横軸に日付を設定します。在庫は前月分が繰越されるため、日付の最初の列には「前月繰越」と記入しておくとよいでしょう。
在庫管理票は、管理したい情報や在庫の規模などによってレイアウトを考えることが大切です。商品の種類が多い場合は、商品一覧をすぐに確認できる在庫移動表タイプ、商品の種類が少なく、商品情報を細かく管理したい場合は単票タイプがおすすめです。
インターネット上にある在庫管理表テンプレートのなかから、希望に近いレイアウトのものを探して利用する方法もあります。
関数を入力する
一定のエクセル知識があれば、関数やマクロを活用して在庫管理表の計算処理や在庫数が一定数を下回ったときのアクションなどを設定することも可能です。
注意点は、担当者しか管理できないレベルの関数やマクロ処理を組み込まないことです。引き継ぎが十分行われれば問題ありませんが、担当者の突然の退職や長期不在の際、トラブルが発生したときに管理しきれなくなる可能性があるからです。
ルールを定め、バックアップも取っておく
在庫管理表を作成したら、運用ルールを明確に定めておきましょう。
運用ルールとは、「商品を入荷したときに、受け取った人が入力する」「商品を発注した人が、商品を受け取り確認した後に入力」など、誰が・どのタイミングで、どのように更新するかを細かく設定することがポイントです。
また、エクセルで在庫管理表を作成した場合は、こまめにバックアップを取っておきましょう。バックアップを取った際は日付にファイル名をつけ、上書き保存ではなくそれぞれ新規保存して管理すると安心です。
棚卸をエクセルで行うメリット・デメリット
エクセルを使って行う棚卸にはメリットもあると同時にデメリットもあります。
棚卸をエクセルで行うメリット
棚卸をエクセルで行うメリットは、主に2つあります。
1つめは、手軽に始められる点です。ほとんどの日本の企業は、日常の業務にマイクロソフトオフィスを導入しています。エクセルで在庫管理表を作成すれば、在庫管理システムを導入せずとも在庫管理を始めることができます。
また、エクセルであれば普段使い慣れたソフトであるため、新たに操作方法などを覚える必要がありません。
2つめは、導入・運用費用がかからないことです。
在庫管理システムの導入と運用には、それなりのコストがかかります。小さな企業などでは、費用対効果の点から導入に踏み切れないケースもあるでしょう。
エクセルを使用すれば、導入・運用コストをかけずに在庫管理を行うことができます。
棚卸をエクセルで行うデメリット
棚卸をエクセルで行う場合は、次のようなデメリットにも注意しなければなりません。
1つめは、エクセルはあくまで表計算ソフトのため、商品数や支店(拠点)が多い企業の在庫管理は難しいという点です。
商品の種類が膨大な場合、エクセルでの在庫管理表では目当ての商品を検索するまでに時間がかかり、在庫全体の状況を把握しにくくなる可能性があります。また、ブック共有による同時編集にも制限があるため、複数の支店で同時に在庫管理表を更新する際に不便です。
2つめは、エクセルはデータ量が膨大になると処理が遅くなり、在庫の確認や計算結果を見るのに時間がかかってしまう点です。
在庫管理表をチェックしたり、入力したりするたびに長い処理待ちをしなければならない状況は、全体の業務効率の低下にもつながります。商品数や在庫数が多い企業の場合、エクセルによる在庫管理は不向きといえるでしょう。
3つめは、上書きによるデータ改変リスクです。エクセルは日常的に使用している人であれば手軽に編集できるツールであると同時に、誤ったデータが上書きされてしまうリスクをともないます。
エクセルのデータを誤って上書きしたり消してしまったりした状態でデータを保存してしまった場合、改変前にデータに戻すのは困難です。
誤った在庫管理データはトラブルに発展します。バックアップを取っているところから改めて在庫数などの見直しを行う必要が出てくるため、余計な人的コストがかかってしまいます。
エクセルを使った棚卸の課題を解消する方法
エクセルを使った棚卸にはさまざまな課題があります。それを解消する方法として注目されているのがRFIDを活用した在庫管理システムです。
在庫管理システムを導入するなら、持出・返却管理ソリューションTAGMATCHがおすすめです。
TAGMATCH で棚卸を行うメリット
在庫にICタグを貼り付ければ、簡単に在庫管理ができます。ハンディリーダーを用いて短時間で在庫確認が可能なため、モノを探す時間・コスト・手間を削減することができます。また、ネットワークで接続することで、複数拠点を一括管理することが可能になります。
【まとめ】TAGMATCHで棚卸を大幅に効率化!
棚卸は利益を正確に把握し、適切な在庫管理を行うための重要な作業です。棚卸はエクセルで行うことも可能ですが、気軽にコストをかけずに導入・運用できる反面、あくまで表計算ソフトのため、商品数が多いと管理が難しくなり、作業効率低下につながるというデメリットがあります。
エクセルでの棚卸の課題を解決するには、在庫管理システムを導入しましょう。TAGMATCHは、あらゆるモノを簡単に管理できる持出・返却管理ソリューションです。在庫にICタグを貼り付ければ、ハンディリーダーを使って商品を検知し、PCで一元管理できます。在庫状況もひと目で確認できるため、棚卸作業を効率的に進められます。
執筆者情報
キャビマッチ運営チーム
キャビネット貸出管理システムCABIMATCHが運営するブログです。キャビマッチに関する情報を更新してまいります。