オフィスセキュリティ対策を進める際のポイントと具体的な方法情報漏洩・セキュリティ管理
2023.07.06
オフィスセキュリティ対策が重要なのは、会社や事業所などがオフィス内の重要なデータや資産を守るためです。しかし、どのようにオフィスセキュリティ対策を進めてよいか悩むケースも多いかもしれません。
この記事では、オフィスセキュリティの向上に必要な考え方や具体的な対策方法、おすすめのセキュリティシステムを紹介します。
オフィスセキュリティ対策とは?
オフィスセキュリティとは、社内や事務所などの防犯性を高め、資産を守り円滑に事業を進めていく施策のことです。情報漏洩が起きてしまうと、個人情報保護法や不正競争防止法といった法律で罰せられる可能性があり、企業の信頼に大きく影響します。
企業の信頼性を高めるためにも、オフィスセキュリティ対策は今後ますます重要となるでしょう。
オフィスで発生する可能性のあるリスク
オフィスセキュリティ対策が不十分だった場合、リスクとして発生する可能性が高いのは以下の3つです。
● 物的リスク
● 人的リスク
● 情報リスク
それぞれのリスクの詳細は以下のとおりです。
物的リスク
物的リスクとは、オフィス内の金銭的な価値ある物に関するリスクのことです。オフィス内の金銭的価値のある物は、以下のものがあります。
● パソコンやタブレット
● オフィス家具
● 従業員の貴重品
● 現金や小切手 など
オフィスセキュリティ対策がされていない場合、窃盗や空き巣に入られ、オフィスの現金や小切手が盗まれたり、オフィスの家具やパソコンなどが壊されたりする危険性があります。
人的リスク
人的リスクとは、従業員や経営者など、オフィス内にいる人に関するリスクのことです。たとえば、オフィス内に不法侵入してきた泥棒が従業員にケガを負わせた場合などが該当します。
このようなリスクを避けるには、出入口に認証システムを導入することが効果的です。
情報リスク
情報リスクとは、企業が扱う情報の漏洩やデータの流出に関するリスクのことです。外部からのサイバー犯罪で情報を盗まれる場合もあれば、社員が情報を持ち出し、紛失するケースもあります。
近年は在宅ワークの増加によって社外でも情報を扱うようになったため、さらなる管理体制の見直しが求められるでしょう。
オフィスセキュリティ対策の進め方
オフィスセキュリティ対策は、以下の5ステップで進めましょう。
1. 情報資産を把握する
オフィスセキュリティ対策には、情報資産を把握することが重要です。情報資産とは、オフィス内で所有している情報であり、以下のようなものが挙げられます。
● 顧客情報
● 財務情報
● 人事情報
● 従業員の個人情報
● 紙媒体の契約書や会議の資料
● サーバーやクラウド上にあるデータ
それぞれの情報をどのように管理しているのか把握することが必要です。情報の利用者や責任者、保管場所を整理しておくことで有事の際の対応がスムーズに進められるでしょう。
2. 情報資産に対する課題を洗い出し対応策を考える
会社の情報資産に対する現状の管理体制と予想されるリスクなどの課題を洗い出して、対応策を考えましょう。
下記のように、現状の管理体制や考えられるリスクを整理できれば、適切な対応策が浮かぶでしょう。
【管理する資産】事業書類
【現状】誰でも持ち出せる棚に保管
【リスク】
・社員や来訪者による不正持ち出しが容易である
・持出/返却の記録漏れによる紛失
【対策案】
・ 鍵付きの棚、金庫などで管理する
・ 管理システムを導入する
3. ゾーンセキュリティごとにシステムやツールを導入する
オフィスセキュリティを考える上で重要となるのが、「ゾーンセキュリティ」です。ゾーンセキュリティとは、オフィスをエリア(ゾーン)で分けることで、必要なセキュリティを明確にする考え方を指します。
ゾーンセキュリティの考え方の具体例は、以下のとおりです。
ゾーン1:公共性の高いエントランスやエレベーターなど
ゾーン2:オフィスのロビーやミーティングルーム、社外関係者も利用する場所
ゾーン3:執務室や会議室などの社内関係者のみが利用する場所
ゾーン4:最もセキュリティを必要とする場所
ゾーン5:金庫や重要書類を管理し、特定の人しか入れない場所
オフィスの規模や業種、業務内容などを考慮して適切なゾーン分けを行い、ゾーンごとに最適なシステムやツールを導入しましょう。
ゾーニングについて詳しくは、「オフィスセキュリティ対策における「ゾーニング」とは?」でご紹介いたします。
4. 運用・保守ルールを設定する
セキュリティシステム導入後は、運用の目的や方法、保守ルールを設定することが大切です。セキュリティシステムを導入しても、紛失・置き忘れ、誤操作などの人為的ミスによる情報漏洩をすべて防ぐことはできません。
社内での情報共有や情報の取り扱い方法をマニュアル化することで、より安心なセキュリティ対策ができるでしょう。
5. 社員にセキュリティ教育を実施する
オフィスセキュリティの向上には、社員に対するセキュリティ教育が必要です。教育を行うことで社員のセキュリティに対する意識が高まり、人為的なミスによる情報漏洩を防げます。
具体的な方法としては、以下のようなものがあります。
● eラーニングによる動画教材の視聴
● 研修の実施
● セキュリティポリシーの策定と社内周知
社員の実態を把握して適切な教育を行うのがよいでしょう。
オフィスセキュリティ対策における「ゾーニング」とは?
「3. ゾーンセキュリティごとにシステムやツールを導入する」で取り上げたゾーニングについて、もう少し詳しくご紹介します。
改めて、オフィスセキュリティ対策における「ゾーニング」とは、セキュリティレベルに応じてオフィスを区分けすることです。これにより、不正アクセスや情報漏えいのリスクを低減できます。
ゾーンセキュリティを導入することで、権限を持たない従業員が機密情報に触れないようにすることができます。たとえば、営業部門の従業員が製造部門の機密情報にアクセスできないように、ゾーンごとに入退室管理システムを導入します。
また、ゾーンセキュリティを導入することで、オフィス内の動線を効率化することができます。たとえば、来客用のエリアと従業員用のエリアを分けることで、来客者が従業員の作業スペースに立ち入るのを防ぐことができます。これにより、従業員の業務を妨げずに、セキュリティを向上させることができます。
このゾーニングを検討せずに、やみくもにセキュリティ対策ツールを導入してしまうと、業務効率を悪化させてしまう恐れがあります。オフィスの規模や業種、業務内容などを考慮して、適切なゾーン分けを行いましょう。
オフィスセキュリティ対策に利用できるツール
オフィスセキュリティ対策に利用できるツールとしては、以下のようなものがあります。
● 入退室管理システム
● 防犯カメラ
● 収納セキュリティ・金庫
● パーティション
● シュレッダー
● ネットワークセキュリティ
自社のセキュリティ課題や目的に応じて導入を検討しましょう。
入退室管理システム
入退室管理システムは社員だけでなく社外の人の入退室を管理できます。入退室の管理レベルが高いほど不正侵入を防げるため、あらゆるリスクの可能性が下がります。
いつ誰が入退室をしたかわかれば、情報漏洩などのトラブルが発生したときにも迅速な対応が可能です。
主な入退室管理システムは以下の4つです。
● 暗証番号
● ICカードロック
● スマホアプリ認証
● 生体認証
それぞれ特徴やセキュリティレベルが異なるため、目的やコスト面で検討していくとよいでしょう。
防犯カメラ
防犯カメラは、あらゆる場所での防犯に最適です。トラブルがあった際に、すぐに確認できるため、迅速な対応・解決につながります。
設置することで犯罪への抑止力となる効果も期待できるでしょう。
収納セキュリティ・金庫
重要な書類を管理する場合は、金庫や収納セキュリティに保管するのがよいでしょう。万が一、不審者が入ってきた場合でも、重要な書類や金銭などを守れます。
管理する際は、鍵を金庫や収納セキュリティとは別の場所に保管し、使用のルールを決めましょう。また、認証に指紋やテンキーのタイプを使うことでより強固な管理システムを構築できます。
パーティション
パーティションは、物理的なセキュリティ対策として有効です。社外の人からの盗み見を防げるだけでなく、社内でも一部の人にしか知られてはならない情報が広がることを避けられます。
また、防音性のあるものを設置すれば、秘匿性の高い会議で外部に会話が聞かれる心配が減るでしょう。重要な書類を管理する部屋をパーティションで区切り、社内の動線を分けるなど、さまざまな形で活用できるのがメリットです。
シュレッダー
情報を破棄する際のセキュリティとしては、シュレッダーが有効です。書類をそのままの形で破棄すると、持ち出しや盗み見から情報漏洩につながります。
重要な書類の破棄には、ストレートカットだと復元されてしまうリスクがあるため、クロスカットやマイクロクロスカットができるタイプをおすすめします。
ネットワークセキュリティ
情報漏洩を防ぐためには、ネットワークセキュリティは必須です。サイバー攻撃やハッキングなどの手口は巧妙になっているので、有料のしっかりとしたセキュリティソフトを導入し、外部からの不正アクセスを防ぎましょう。
また、社内からの流出も防ぐため、情報へのアクセス権限を限られた社員に付与することや情報の取り扱いルールを徹底するなどの対策も効果的です。
オフィスセキュリティ向上におすすめのシステム
ここからは、オフィスセキュリティ向上におすすめのシステムを2つ紹介します。
TAGMATCH
TAGMATCH(タグマッチ)は、管理したいものにICタグを貼るだけで、PCとタグリーダでカンタンに一元管理できるシステムです。
導入することで、「誰が」「いつ」「何を」持ち出したか、返却がされているのかといったことがひと目でわかります。トラブルや書類の紛失などがあったときでも、迅速な対応が可能です。
CABIMATCH
CABIMATCH(キャビマッチ)は、24時間管理できるキャビネット貸出管理システムです。
管理するものにICタグを取り付けてキャビネットに保管すれば、持ち出した際にシステムが自動で記録を取り、リアルタイムで保管状況や貸出状況を確認できます。
不正な持ち出しを防ぎ管理状況も確認できるので、トラブルの未然防止にもつながるでしょう。会社の資産や重要書類を安全に管理したいが、導入のコストやシステムの運用に不安がある方におすすめの管理システムです。
まとめ:オフィスセキュリティを高め企業の信頼性を確保しよう
今回は、オフィスセキュリティ向上に必要な対策を進める際のポイントと具体的な方法について解説しました。ただ闇雲にオフィスセキュリティを高めるのではなく、情報資産を把握し、現状の課題を洗い出したうえで対応策を考えることが大切です。
セキュリティシステムやツールを導入する場合は、ゾーンセキュリティを明確にしてから行うようにしましょう。
TAGMACHやCABIMATCHなら、オフィスセキュリティの向上に役立ちます。オフィスセキュリティの向上をお考えの場合は、ぜひご検討ください。
執筆者情報
キャビマッチ運営チーム
キャビネット貸出管理システムCABIMATCHが運営するブログです。キャビマッチに関する情報を更新してまいります。